認知症は脳の働きが何らかの原因で徐々に損なわれていく状態をいいます。原因を早めに見極めて治療やケアに結び付けることが大切です。年をとると誰でも「もの忘れ」が出てきます。電話があったことは覚えているが、誰からの電話か忘れてしまったり、昨日の夕食のメニューを忘れてしまったり、突然であった人の名前がとっさに出てこないことなどは、基本的には老化による心配のないもの忘れが多く、ヒントを与えると思いだします。一方、電話があったことや食事をそたこと自体を忘れてしまうなど、直前の出来事や忘れるはずのない家族の名前を忘れてしまい、ヒントがあっても思い出せないのは病的なもの忘れです。「今までと違うな?」と思ったら、一度、「もの忘れ外来」を受診しましょう!「認知症サポート医」の院長が専門的に対応いたします。
認知症は、老化による単なるもの忘れとの区別がつきにくい病気です。本人や家族が「年のせいでしょ」と思うような日常の些細な変化が、認知症のサインかもしれません。見逃さないようにしましょう。
*同じことを何回も言ったり聞いたりする。
*置き忘れやしまい忘れが目立つ。
*物や人の名前がすぐ出てこない、ヒントを言っても思い出せないことがある。
*薬の管理ができなくなった。
*「食べたメニューを思い出せない」のではなく、「食べたこと自体を覚えていない」ことがある。
*財布や物を盗まれたと言う。
認知症の原因には、いくつかの疾患があります。
【アルツハイマー型認知症】
脳の神経細胞が減って脳が小さく萎縮してしまうために症状が出る一番多いタイプ。
【脳血管性認知症】
脳の血管が詰まったり破れたりして、その部分の脳の働きが悪くなるために症状が出るタイプ。アルツハイマー型との混合もある。
【その他の認知症】
レビー小体(異常な構造物)が大脳皮質にたまってしまうことによる。パーキンソン症状と幻覚(幻視)が特徴としてみられます。
【治療可能な認知症】
脳腫瘍やビタミン不足、ホルモン不足、水頭症などによる病気で認知症の症状がみられることがあります(認知症の約1割程度)。この場合は原因となる病気を治療すれば、治る、あるいは症状が軽くなることがあります。
これを見分けるためにも、早めに相談することが大切です。
1.まず、診察前に問診票を書いていただきます(来院前に、ダウンロードして記入してきていただくことも可能です。)
>>もの忘れ外来 本人用問診票のダウンロードはこちら(PDFファイル)
>>もの忘れ外来 家族用問診票のダウンロードはこちら(PDFファイル)
※PDF形式の文書をご覧頂くには、Adobe® Reader® プラグイン(無料)が必要です。
お持ちでない方はこちらから入手できます。
2.診察室ではまずご本人と医師が対面して問診、診察(神経学的所見)を行います。
3.その後、ご本人は血液検査、認知機能検査を行います。
4.その間、付き添いの方に病状についての面接を行います(その際に、本人の前では話しにくいことや、困っていることをお聞きします)。
5.診察結果をご説明し、画像診断(CT,MRIなど)が必要な方は予約します。
6.次回の診察日を予約します。
現在、認知症の約半数を占めるアルツハイマー型認知症には、症状の進行を遅らせる薬があり、早めに服用するほど効果が期待できます。これまで1種類だった治療薬が、平成23年から4種類に増えました。貼り薬や2種類の薬の併用も可能になりました。また、平成26年9月から、レビー小体型認知症の治療も可能となりました。検査してみたら認知症ではなかったというケースもあるので、まずは相談や検査をしてみることが大切です。